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最高裁判所第二小法廷 昭和58年(あ)179号 決定 1984年11月30日

主文

本件上告を棄却する

理由

弁護人篠田健一の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

なお、満一八歳に満たない児童を、裸体の女性の下腹部を露骨に強調して撮影した写真多数を掲載した写真集(いわゆるビニール本)の販売店で店員としてその販売に従事させることは、児童福祉法三四条一項九号にいう「児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる」ことにあたり、この場合、必ずしも右写真集が刑法上のわいせつ物であることを要するものではないと解するのが相当であるから、これと同旨の原判断は正当である。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(木下忠良 鹽野宜慶 大橋進 牧圭次 島谷六郎)

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